sioirisatouの日記

すきなものとか

村上春樹さんの旅行記、について

村上春樹さんといえば、言わずと知れた日本を代表する作家です。本屋でアルバイトをしていた時にちょうど「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の旅」が発売されましたが、タイトルすら発表されない段階から予約が入り、発売されると店頭に積まれたハードカバーはあっという間に売り切れ、チェーン店全体で品薄となり、改めて人気の程を思い知ったのを覚えています。

 

私も「1Q84」や「多崎つくる・・・」、他にもいくつか好きな作品がありますが、一方で、なんとなく非現実要素に置いて行かれてしまうと感じる作品もあります。(村上春樹さんの表現の美しさを感じられるようになったのも大学くらいの時なので、もしかしたら数年後には今好きでない作品も好きになっているかもしれませんが。)

 

そんな方にもぴったりなのが、村上春樹さんの旅行記です。まだ2冊しか読んでいないのに感想を書くのもいかがなものかと思うのですが、とてもよかったので書くことにしました。

 

元々旅行記は好きなのですが、村上春樹さんの「ラオスにいったい何があるというんですか?」と「辺境・近境」を読んだところすばらしかったのです。第一にして最大の魅力として安心の表現の美しさ。作家でない方の旅行記を読むこともありますが、たまに体験自体は面白くても言葉運びになんとなく違和感を覚えてしまうこともあります。村上春樹さんはさすがに日本が誇る小説家。美しい言葉の表現や、なんとなく旅をするときに思っていたところをうまく言語化してくれるところがあります。また、非現実要素を全く含まずに村上さんの文章を味わえるというのも魅力です。そして、意外に読み手のことを意識した文章で、読み手に語りかけてくれる部分もあります。世界的作家である村上さんのことを親しみやすく感じてしまいます。そして歴史や自然などの背景説明も、作家さんはきっとこういうことをきちんと調べながら小説をかいているんだろうなと思うとともに、勉強になります。

 

なんとなく、秋の夜にお酒を飲みながらゆるゆると読みたい旅行記たちです。ぜひ他の旅行記も読んでみたい!おすすめです。私は「ラオスに・・・」を読み終わって非常に良いと思っていたところに、数年前に「辺境・近境」を買って読んでいなかったことを思い出して歓喜して読みました。せっかく村上春樹さんの文章を読んだのにおしゃれさのかけらもない紹介になってしまいましたが。。ぜひ。

 

ラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集の通販/村上 春樹 文春文庫 - 紙の本:honto本の通販ストア